フィリピンの宗教は?テロの状況は?絶対知るべきフィリピンの宗教事情まとめ

ここ数年、テロを始めとした物騒な海外ニュースを耳にするようになりました。これから海外旅行や留学を考えている人は、渡航先がどのくらい安全なのか、テロの危険性などはないのか、誰もが気になるところだと思います。

この記事では、主にフィリピンに初めて来る方を対象に、フィリピンの宗教事情やテロの情報などについてまとめました。

目次

  1. フィリピンの宗教事情や歴史背景
  2. フィリピンでの宗教タブーは?
  3. フィリピンの中で内部抗争が絶えない地域
  4. フィリピンにおけるテロの状況は?
  5. フィリピンで安全に生活・滞在するために
  6. 関連記事

 

フィリピンの宗教事情や歴史背景

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フィリピンは、ASEAN唯一のキリスト教国です。

国民の83%がカトリック、その他のキリスト教徒が10%、イスラム教は5%程度と言われています。(出典:外務省基礎データ

ただ、世界史などで習った人もいるかもしれませんが、フィリピンはキリスト教が普及する前はイスラム教の国でした。

世界周航していたマゼランの船団が、1521年フィリピンに初めて来たのを発端として、300年もの間に渡りスペインの植民地に。その頃から、フィリピンのキリスト教への改宗が一気に行われ、現在ではキリスト教徒が多数を占めるようになりました。

※ちなみに、マゼラン自身は他でもないセブ・マクタン島で命を落としています。マゼランの戦いに勝ったラプ=ラプ王は、その後セブの人々を中心に英雄として扱われるようになりました。

フィリピンでの宗教タブーは?

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フィリピンの人の多くは、信仰心の厚いクリスチャン。キリスト教に限らずどの宗教においても言えることですが、宗教や彼らの信仰に否定的な発言をするのは絶対に避けましょう。余計な喧嘩を売る原因になります。

フィリピン人はプライドが高いことで有名です。フィリピンの人と口論をしたり、逆恨みをされてしまうなど、自身の身を危うくする行動は絶対にやめましょう。

※少し余談になりますが、予備知識として知っておいても良いのがフィリピンの教会事情。現憲法では一応政教分離の原則がありますが、人々に対する教会の影響が強いのが問題視されています。

フィリピンでは子だくさんの家庭が多く、爆発的に人口が増えていることでも知られていますが、それはフィリピンの教会側が避妊(birth control:人の生を人工的にコントロールすること)をタブーとしていることが大きな一つの要因と言われています。それほど宗教や信仰が生活と密接に関わっているのが現状です。

 

フィリピンの中で内部抗争が絶えない地域

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フィリピンの治安は、場所によって大きく異なります。

特筆すべきはフィリピンの南部にあるミンダナオ。ダバオ市以外など一部の地域を除いて治安が非常に悪く、フィリピン国軍とイスラム反政府勢力の内部抗争が絶えません。(ミンダナオの一部地域では、外務省の危険情報でレベル3の渡航中止勧告が出ています。)

国民の8割がカトリックなので、セブ島やマニラで暮らしていると、敬虔なキリスト教徒の方が大半を占めているイメージが強いと思いますが、唯一宗教事情が異なるのが、このミンダナオ島。

かつてカトリックへの改宗を嫌がった人々がミンダナオ島に移り、スペインの植民地支配に抵抗を続けていた背景もあり、イスラム教徒が人口の2割以上を占めています

もちろん、「イスラム教=テロ」「イスラム教=危険」などと考えるのは大きな偏見で、テロや暴力事件を起こしているのは、ほんの一部の過激派のみ。

大半のムスリムの方は穏健でイスラム教の教えも暴力を肯定する考えではないにも関わらず、テロなどの悪いイメージが先行しているため、現在多くの方が偏見に悩んでいるようです。

「イスラム教徒が多いからミンダナオ島で争いが絶えない」のではなく、「ミンダナオ島の一部の過激派が、宗教を背景(口実)として反政府活動や勢力抗争を続けている」という方が実態に近いと言えるでしょう。

フィリピンにおけるテロの状況は?

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フィリピンのドゥテルテ大統領は2017年5月23日に、一部を除くミンダナオ地域全域に戒厳令を発令しました。23日には、ミンダナオ島の南ラナオ州マラウィ市内で、ISIS(自称イスラム国)とつながりのあるイスラム系武装組織と政府軍の間で衝突が激化しています。また、「フィリピンが東南アジアにおけるISISの拠点になる?」などの心配がされる中で、現在どのような状況になってきているのか、経緯を振り返ってみると次のようになります。

これまでの経緯

・2017年5月23日 ISフィリピン支部指導者のハピロン容疑者のアジトに対する、軍の奇襲攻撃が失敗。戦闘に発展。

・2017年5月23日 ドゥテルテ大統領がミンダナオ島に戒厳令

・2017年5月下旬 フィリピン空軍がマラウィ市内の一部を空爆開始

・2017年6月12日 政府は戦闘の期限について言及。しかし、いつになるかは明らかにしなかった。

・2017年6月14日 フィリピン軍報道官が、アメリカ軍がフィリピン軍の支援活動を行っていることが明らかにした。

【参照】

ミンダナオ島でIS系組織『マウテ』が市民を人間の盾に 逃げれば射殺【フィリピン】」『ハフポスト』2017年6月16日

 

とはいえ、外務省の危険情報を見ても分かる通り、基本的に渡航を止めるほどの危険性はないので、怖がりすぎる必要はありません。外務省が発表している危険情報においては、フィリピンの大半の場所がレベル1の「十分な注意が必要」となっています。レベル2以上になっている場所は、主に南部のミンダナオ島という紛争の多いエリアがほとんど。

セブ島でもスリを始めとした犯罪には十分注意する必要がありますが、ミンダナオ島に行かなければテロに遭う可能性は極めて低いでしょう。(マニラ・セブは危険度レベル1・十分注意してください)

もちろん、日本や欧米でもテロの脅威が否定できないのと同様、首都マニラや人気の観光地であるセブ島がターゲットになる可能性はゼロとは言えません。日本にいる方も含め、こちらの記事のように万が一テロが目の前で起きてしまった場合にどう対処するかを、よく考えておいた方が良いでしょう。

フィリピンで安全に生活・滞在するために

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フィリピン・セブ島に長年住んでいる私たちスタッフからすると、「テロが怖いからフィリピンに行くのを止めようかな」という人がいたとしたら、少し的外れのように感じます。

テロが起こる可能性は、日本含めどこでも否定出来ない世の中になってしまいました。テロに関しては「どこでも起こり得る」という気持ちでしっかり対処することが大切ですが、フィリピンに来る方に関してはそれ以上にその他の治安トラブル対策が不可欠だと思います。

フィリピンで日本人が巻き込まれているトラブルの大半は、スリや盗難。セブ島はじめ比較的治安が良いと言われる場でも、「海外にいる」という意識を忘れず、治安対策をしっかりとしましょう。

関連記事

【セブ島の治安】他の国と比べて安全?どんな事件が多いの?

(外務省 海外安全ホームページより)

2017年08月22日 犠牲祭(イスラム教の祝日)期間に伴う注意喚起

2017年07月03日  夏休みに海外に渡航・滞在される方へ ~テロ・犯罪・感染症対策と「たびレジ」登録のお願い~

2017年06月22日 フィリピン:爆弾テロ計画に係る報道に伴う注意喚起

2017年06月02日 フィリピン:マニラのリゾートホテルにおける銃撃事件

2017年05月24日  フィリピン:ミンダナオ地域に対する戒厳令の発出に伴う注意喚起

2017年05月10日 フィリピン:渡航する際のテロ等に対する注意喚起(その2)

2017年04月12日 フィリピン:渡航する際のテロ等に対する注意喚起

2016年11月04日 イスラム過激派組織「ISIL(イラクとレバントのイスラム国)」指導者の声明発出に伴う注意喚起

 

 

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