プログラミング必修化で実際どうなる?プログラミング教育先進国の事例を調べてみました。

こんにちは!
いよいよ2020年から小学校でプログラミングが必修化されますね!

働くママプラスが発表した「子供に習わせたい習い事ランキング」でプログラミングが1位にランクインするなど、今まさに人気沸騰中です。

 

今日はそんな「プログラミング必修化」をテーマに、以下のことを紹介していきます。

  • そもそもプログラミング必修化とは?
  • プログラミング学習先進国のIT業界事情
  • プログラミングを必修化にすることで何が起きると予測されるか

 

そもそもプログラミング必修化とは?

ここでは、プログラミングを必修化にする理由とプログラミング教育の狙いを述べていきます。

以下は文部科学省が2018年3月に発表した「小学校プログラミング教育の手引」をまとめたものです。

 

なぜプログラミングを必修化するのか?

今日コンピュータは人々の生活の様々な場面で活用されてる中で、そうしたコンピュータをより適切に、効果的に活用していくためには、その仕組みを知ることが重要です。

コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることは、あらゆる活動においてコンピュータ等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業に就くとしても、極めて重要なこととなっています。

つまり、コンピューターを理解し、上手に活用していく力を身につけるために、プログラミングを必修化するようですね。

 

プログラミング教育の狙いは?

  1. 「プログラミング的思考」を育むこと
  2. プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと
  3. 各教科等での学びをより確実なものとすること

 
ここで大事なことは、プログラミング教育の狙いは「プログラマーの育成」ではないことです。

あくまで、プログラミング的思考を身につけ、身の回りの多くのものがプログラミングによって動くことを実感してもらうことが目的です。

では、プログラミングを既に必修化している国ではどのようなことが起こっているのでしょうか。

 

プログラミング学習先進国のIT業界事情

エストニアのプログラミング教育事情

あまり馴染みのない国かもしれませんが、お馴染みのSkypeの発祥地です。

エストニアは「世界最先端の電子国家」と言われています。

そう呼ばれる理由として、企業登録、税申請、出生届といった行政サービスの99%が電子化されていることが挙げられます。

残りの1%は、結婚・離婚届けと不動産売却のみとのことです。

 

このようなIT先進国では子供たちはどのような教育がなされているのでしょうか。

それは、エストニア政府が2012年に開始した「ProgeTiiger」です。

小学生から高校生を対象にしたプログラミング教育であり、プログラミングやロボット開発を通じて、テクノロジーに関する知識やスキルを醸成するものです。

一部の学校では、Scratch、Python、Javaといったプログラミング言語を学ぶ授業が選択科目として設置されています。

 

このProgeTiigerを展開しているのはTiger Leap Foundationです。

この基金は1990年代後半から、国内の教育レベル向上を目的として、学校へのコンピューター導入やネットワークインフラ整備に力を入れてきました。

ITインフラが整った次のフェーズとして始まったのがこのProgeTiigerです。

こうした取り組みが功を奏して、労働人口に対する科学者・エンジニアの割合は2009年を境に急激に上昇しています。

詳細については以下のグラフをご覧ください。

(https://rio.jrc.ec.europa.eu/から引用)

 

イギリスのプログラミング教育事情

イギリス政府はもともと1999年から「ICT」という科目を必修化していました。

ICTでは、コンピュータの操作スキルやアプ リケーションの使い方に重きを置いて教えられていました。

それから15年後の2014年から”Computing”という科目を5-14歳を対象として必修化しました。

“Computing”は以下の3つの分野から成り立ちます。

  • コンピューターサイエンス
  • デジタル・リタラシー
  • IT

このように、アルゴリズムの理解やプログラミング言語を取り入れるなど、コンピューターサイエンスの内容をより充実したものになっています。

ちなみに、小学校では週1時間、中学高校では週2時間の授業が行われています。

1999年からITを必修化したイギリスの労働人口における科学者・エンジニアの割合は2009年に急上昇し、今もなお増加傾向にあります。

詳しくは以下のグラフをご覧ください。

(https://rio.jrc.ec.europa.eu/から引用)

エストニアやイギリス以外にも以下の国でプログラミングの必修化が行われています。

  • ハンガリー
  • ロシア
  • オーストラリア
  • フィンランド
  • 韓国

などです。

 

では、プログラミングを必修化にすることで何が起きると予測されるか見ていきましょう。

プログラミングを必修化すると何が起こる?

まず、メリットとしては以下が挙げられます。

メリット

  • 論理的思考を育むことができる
  • 成功体験を得られる

 

論理的思考を育むことができる

最初のプログラミング教育の狙いは?でも紹介したように、主な狙いはプログラミング的思考を学ぶことです。

プログラミングを勉強したことのある方はご存知のように、プログラミングは論理的思考が必要不可欠です。

論理的な文章作成力とプログラミング力との関係の分析」、大場 みち子 , 伊藤 恵 , 下郡 啓夫 , 薦田 憲久.情報処理学会 研究報告コンピュータと教育(CE),2015-CE-132(27),1-5 (2015-11-27) , 2188-8930

上記の論文では、プログラミング力と論理的文章作成能力には相関があるのか調査しています。

その結果、プログラミング教科で80点以上を取った学生のグループと60点未満だった学生のグループでは、論理的な文章作成能力にも有意な差があったとのことです。

言い換えると、プログラミング教科で高得点を取ったグループは論理的な文章作成でも高得点を取る傾向にありました。

このことから、プログラミングを必修化し、学ぶことにより、プログラミング以外でも応用できる論理的思考が身につくと言えるでしょう。

 

成功体験を得られる

プログラムによって身の回りの多くのものが動くことを実感してもらうことが目的とのことですが、実際に自分で考え、手を動かした結果、それが画面上に自分の思った通りに反映されることは快感以外の何物でもありません。

そうした小さな成功体験が積み重なると、自信がつきます。

こうした自信が子供がプログラミングを本格的に学ぶきっかけとなり、現在日本だけでなく世界中で不足しているエンジニアの数が少ないという問題を解決することにつながるかもしれません。

 

その一方で、もちろん課題はいくつかあります。

それは、プログラミングを指導する教員の負担が増えることやwi-fiやパソコンなどの設備投資に莫大な予算がかかることなどが挙げられます。

実際にこうした問題は、既にプログラミングを必修化している国々でも起こっているようです。

既に必修化している国の事例を学び、そこから日本国向けに応用していくことが成功につながるでしょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

プログラミングを必修化して以降、労働人口に対してのエンジニアの割合が伸びている国は多いです。

私はNexSeedでインターンをする前まで、プログラミングなど触ったことすらありませんでした。

2年後の小学生が羨ましくて仕方がありません。

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