「前置詞」英語学習の鬼門の一つです。理解が難しく、暗記して覚えようとする方も多いですが、前置詞はその数30個以上そして複数の意味、使い方があり、例外も多いのです。暗記は実は非常に難しいのです。
一つ一つを暗記するよりはイメージを把握、理解するほうが実際の学習方法としてはおすすめです。
ここでは使うことの多い前置詞のイメージ、そして用例をまとめてご紹介していきます。勉強の際の参考になれば幸いです。
まずそもそも前置詞とは何か?
具体的な話になる前にそもそも前置詞は何かをご説明します。
簡単に言ってしまうと前置詞とは名詞の前に置いて場所や方向、時などを表す言葉です。Inやatのように一語で表すものと、in front ofのように複数がセットになって表される「群前置詞」があります。
もともとは空間的な概念を表す言葉でしたが、これが転じて時間的、心理的、あるいはより抽象的な概念を表すようになりました。
前置詞自身が抽象的な概念です。単純に暗記するだけでは理解が足りません。
感覚的に使うことができるようになる必要があります。そのためには前置詞の持つ空間的なイメージを理解する必要があるのです。以下で詳しく、よく使われる前置詞が持つ空間的なイメージをご紹介します。勉強の際にはご自身でイメージを図で書いてみるのもよいでしょう。
時間や場所を表すto for from
ここからは表現が似通ったものを中心にまとめてご紹介していきます。まずはto for fromの三つです。
to
時間や場所、目的を表すtoは、「目的に向かって進み、最終的に到達する」というイメージを持ちます。そうした意味が転じて、何らかの物事の結果、という意味も持ちます。
具体的な用法としては目的地への方向 関係、対象を表します。
例文
I went to the school.私は学校に行った
for
for はtoと同様に移動を表します。ですが、目的地への到着を示唆するtoに対して、forは「目的に向かって進んではいるが、到着していない」というイメージを持っています。簡単行ってしまうと forは経過を表しているのです。
例文
I went for the school.
またプレゼントを贈るという際にforを使いますがそれはforの持つ、「経過」というイメージが転じて
プレゼントを持っている →まだそれを相手に渡していない
=目的に向かっているが、まだ到達していないイメージを持つforが使われています。
また、抽象的な概念としてはまだ到達していないということで、「目的」を表します。
from
toとは反対に、「目的を起点として離れていく」というイメージを持ちます。
転じて物事の物理的、時間的な開始を表します。
縦軸のイメージ up down
Up
「上の方に向かっている」または「起点となるポイントより上の状態」というイメージをもちます。
この動作をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
down
「下の方に下がっている」「起点となるポイントよりも下の状態」というイメージを持ちます。Upとは正反対と考えるとわかりやすいです。
空間、面、点 in on at
in
inは、「空間的な広がりの中にいる」というイメージを持ちます~(の中に)にと訳されることが多いです。
このイメージが転じて、場所の中での位置や期間を表します。
英語では慣例として、バスや電車など大型の乗り物に乗っている場合にはinそれ以外の例えば、タクシー、自家用車などの小型の移動手段を利用している際にはatを使います。これは、これはinの空間的な広がりの中というイメージと、あとで詳しく説明する、atのある一点を表すという特徴を端的に表しています。
また時間的なイメージとしては空間的な概念が転じて特定の長さのある期間を表します。
In august
In 2018
これらが典型的な例です。
On
空間を表すinに対して、onは「平面に触れている」というイメージを持ちます。
~(の上)にと訳されることが多いです。対象物は必ず何かに接しているという特徴を持ちます。時間的な意味としては空間的なイメージが転じて特定の日付を表します。
例文
I saw a picture on the wall.
上にと訳が付くことも多いonですが、もちろんこちらの役は「壁の上にある、絵を私は見た」ではありません。「私は壁にかかっている絵を見た」が正しいのです。
on 25th December 12月25日に
このように時間を表す場合は特定の日付とともにonを使います。
At
「ある一点」を表します。Inを空間の中、onを平面,atを点と理解するとこれまでの説明が理解しやすいかと思います。
同じ場所を表すのでもatを使う場合は例えば、バスの停車場所など一時的な経過点を表しています。
また時間に関してはinやonに比べてさらに短い時間・期間を表す際に使うことができます。
何時何分といったときによく使うのです。
例文
at 8:45
何かに囲まれている around among between
Around
何かを取り囲んでいる状態というイメージを持ちます。似ている表現として、aboutがあります。
使い分けに困っている方も多い両者ですが、Aroundはかっちりと周りに囲んでいる、aboutは漠然と周りを囲んでいる、とイメージするとわかりやすいかと思います。
訳文にすると同じ訳になることも多いのですが、こうしたイメージ上の違いがあることは留意しておきましょう。
例文
It’s around the end of June. それは6月の終わりです。
We sat around the fire to dry clothes.私たちは服を乾かすために、火を囲んだ
among
aroundの逆に、「何かに取り囲まれている状態」というイメージを持ちます。
よく同様の訳「~の間に」をもつbetweenとの対比で、3つ以上のものに囲まれているという説明を使いますが、それは正しくはありません。Among の場合には囲まれている状態から転じて、複雑なものの間を意味しているのです。
例文で見てみましょう。
He is between people
He is among people
同様に「彼は人の間にいる」という表現になります。ですが、betweenの場合にはこちらから確認が可能な状態、簡単に見て取れる状態を表しますが、amongの場合は人ごみの中にいる、そういった状態を表すのです。
Between
基本的には「2つのものに挟まれている状態」というイメージを持ちます。
ですが、先ほどのamongの部分でもご説明したようにこれが転じて「はっきりと区別することができる状態」も表すのです。
そのため、3つ以上のものに囲まれていても、見ている側からはっきりと対象を区別することができれば、betweenを使います。
Of
あるものの一部に属している、そこから何かを取り出すというイメージを持ちます。
転じて、単位や、何らかの一群から人、モノを特定する際に使われます。
例文
My father paid millions of dollars to buy a used house.中古の家を買うために父は数百万ドルのお金を払った。
こちらに似た表現としてはA tons of などもあります。
また、特定の人、ものを表すものとしては以下のような表現があります。
He is friend of mine.彼は私の友人
I am a citizen of Philippine. 私はフィリピン国民の一人です。
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