上と下を表す前置詞 over above below under
over
対象を乗り越えてその先にたどり着くというイメージを持ちます。転じて~の上、や~覆う、という意味を持ちます。
例文
Over the rainbow.
There is the bridge over the sea.
above
覆いかぶさるようなイメージのoverに対して、「特定のものではなく一定の基準よりも高いところにある」というイメージを持ちます。なんとなく上の方にある、そんなイメージをしていただければいいかと思います。
そのため、同様に上にと訳される、接触のイメージを持つonと違い、少し離れた上の位置にあることを表します。
Below
aboveの反対に、「基準よりも低いところにある」というイメージを持ちます。
aboveを参考にすると、特定の下にあるのではなく、なんとなく下の方にある、ある一定の基準よりも下にあることを意味します。
below sea level(海面よりも下)という漠然とした物理的な位置関係のほか、below freezing(氷点下)のような数値が低い場合や、below standardのように標準よりも劣っている場合などに使われます。
Under
「あるものの下にある」というイメージを持ちます。
漠然とした基準より下にあることを表すbelowに対して、underは何か特定のものの下にあるような状態を表すのです。
belowとunderの使い分け
抽象的な話をしてきましたが、具体的にいうと
belowは特定のものの下の方にはあるが真下にはない場合、温度や高低を表すのに対し
underは特定のものの下に隠れている、あるいはおおわれているような状態を表します。
例文
The temperature was three degrees below zero yesterday. 昨日は氷点下3度だった
The dog is under the chair.犬は椅子のしたにいる。
空間上、平面上の通過を表す through across
Through
空間や時間を通り抜ける、貫通するというイメージを持ちます。
転じて~じゅう、~を通してといった意味を持ちます。
例文
時間の表現の際にはこのような使い方をします。
The store opens Monday through Friday. そのお店は月曜日から金曜日まで営業しています。
月曜から金曜をひとまとまりの空間として考えるとわかりやすいでしょう。
またthroughには終わらせるという意味もありますが、単に作業を完了させるのではなく、空間を通過する、貫通するという意味が転じて対象を苦労しつつ終わらせるイメージを持っています。
そのため訳には乗り越えた、達成したといったものを充てることも多いのです。
I went through a bad experience. 私は悪い経験を乗り越えた。
I got through the examination. 私は試験に合格した
Across
空間を横切るイメージを持っていたthroughに対して,acrossは「平面を横切る」というイメージを持ちます。
それが転じて何かを横切る、横断する動作を表します。また、特定の物や場所が道などを挟んで向かい同士にある場合にそれらの位置関係を表すために利用します。道案内をするときにもよく使います。
道を聞いているときにacrossを使ったら、こういう位置にあるのだと理解しましょう。
例文
There is a super market across the street from my house. 向かい側にスーパーマーケットがある
He walked across the street.彼は道を歩いて渡った。
近い位置にあるものを表すalong near by
さて最後に近い位置関係にあるものやことを表す際に使う前置詞を見ていきましょう。
Along
「細長いものに平行して沿っている」「流れに沿う」というイメージを持ちます。転じて、~そう、~と一緒という意味を表します。
似た表現としてtogetherがあります。場合によっては入れ替え可能な表現ですが、イメージの部分で説明したように何かひとまとまりのものと、ともになっているというイメージを持っています。そこが微妙に異なっている部分です。留意しておきましょう。
例文
Walk along with me. 私と一緒に歩いてください
walk me togetherも意味としては同じになりますが、alongの場合はひとまとまりになって、というニュアンスが含まれています。
Near
「対象とそう遠くない近い位置にある」というイメージを表します。これが転じて状態例えば今にも泣きそう、今にも起こりそうなど人間関係の状態もあらわします。ただ、親密さを表す場合にはcloseを使うので留意しましょう。
また、場所や時間の近さを感覚的に表すという特徴を持ちます。日本でも田舎に住んでいる人と、大都市に住んでいる人の近い、遠いという感覚は違います。英語圏でも会話の際には注意が必要です。
例文
she was near tears. 彼女は泣き出しそうだった。
The new restaurant is near my house. その新しいレストランは私の家の近くにある。
By
「対象との間に差がある」というイメージを持ちます。転じてnearと同様に近いという意味を持ちます。byの場合は、感覚的ではなく、視覚的な近さを表すという違いがあります。
具体的に言うと、nearよりもbyの方が近いものやことを表します。時間を表す際にも使うことはできます。ですが、客観的な近さを表すため、近さではなく、期限を表します。
例文
The new restaurant is by my house. その新しいレストランは私の家のすぐ近くにある
玄関開けたら2秒でレストランくらい目の前だと思っていただいて構いません。byとnearは同じ意味ですがそれくらいのニュアンスの差があります。
The cat sat by my side. その猫は私のそばに座った。
こちらも視覚的に見ることができます。
時間的な意味「期限」を表現としては
I’ll finish this work by the end of this week. 私はこの仕事を週末までに終わらせるつもりだ。
また視覚的な近さというイメージが転じて、何かを利用する、手段として使う、という際にもbyを使うことができます。
You can repair this car by those tools. あなたはこの車をそれらの道具を使って治すことができます。
まとめ
今回は前置詞をそのイメージを含めてまとめてご紹介してきました。前置詞はイメージで覚えることが大切なものです。そのため、英語を学習する人の鬼門にもなっています。なぜなら、日本的なものの考え方が通用しないからです。
だからこそ、今回ご紹介したように、イメージを通して学んでいく必要があります。理解が難しい部分ですが、ここをちゃんと理解し、コミュニケーションや文章の読解に使うことができるようになると、英語表現の幅グッと広がります。
今回の記事を参考に前置詞をものにしましょう。
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