「ハリー・ポッターと賢者の石」から英語を学ぶ | イギリス英語が学べる映画!

「アメリカ英語」「イギリス英語」など、国別で英語の文法や発音に違いがあることをご存知でしょうか?ちなみに、みなさんが学校で習った英語はアメリカ英語に即したものとなっているため、イギリス英語には始め違和感を感じるかもしれません。

イギリス英語について知るなら、イギリスの文学や映画に触れるのが一番の近道!ということで、今回は「ハリー・ポッターと賢者の石」を通して、イギリス英語について学んでいきたいと思います。

 

「ハリー・ポッターと賢者の石」からイギリス英語を学ぶ!

①”Knight to H3… check!”「ナイトをH3へ。・・・チェック(王手)!」

覚えていらっしゃるでしょうか?これは、主人公の親友ロンがチェスをするシーンで登場するセリフです。普段はおっちょこちょいで頼りないロンが、自身を犠牲にしてハリーを救うという印象的な一場面ですね。

さて、このセリフで注目すべきが”H3″の発音です。映画の中でロンは「アイチ、スリー」と発音します。ここでのポイントは、イギリス英語では「エイ→アイ」と発音する場合があるということです。

この発音の変化は、「コックニー訛り」と呼ばれる訛りによるもの。イギリスはいまだに階級意識が根付いており、コックニー訛り(下町訛り)は主に労働者階級の人々が話す言葉として知られています。

ロン・ウィーズリーは、本作の中で「労働階級の下町育ち」として描かれており、コックニー訛りの発音がたくさんでてきます。

なお、今ご紹介したコックニー訛りには、他にもこのような特徴があります。

・”th”の発音が”f”に!→”three”(スリー)の発音が”free”(フリー)になる

・”h”を発音しない!→”have”(ハブ)を”ave”(アブ)と発音

 

②プディングの謎

小説「ハリー・ポッター」を読んでいると、ホグワーツの晩餐にはしょっちゅう”プディング”が出ているなあ・・・と感じることがあるのではないでしょうか?日本人が”プディング”と聞くと、「プリン??」と思いますが、実はイギリス英語ではデザート全般のことを”pudding”と表現します。なお、アメリカ人にとっても”pudding”は「プリン」のことを示し、デザートのことは日本同様に”dessert”と呼びます。

このように、同じものを指すにもかかわらずアメリカ英語とイギリス英語で単語が違う、というのは、実はこれだけではありません。

作品タイトルは、日本語だと「ハリー・ポッターと賢者の石」ですが、イギリスとアメリカでそれぞれタイトルが違うということをご存知でしょうか?

(イギリス英語)Harry Potter and the Philosopher‘s Stone

(アメリカ英語)Harry Potter and the Sorcerer‘s Stone

このように、「賢者」の言い表し方がアメリカとイギリスで違うんですね。実は、イギリスでは「不老不死をもたらす”賢者の石”という魔法のアイテムが存在する」と古くから語り継がれているため、”Philosopher’s Stone”が一つの熟語のようにとらえられています。一方アメリカ人はそんな言い伝えなど知らないため、”Sorcerer’s Stone(魔術者の石”と表現することで、魔法のアイテムだということを言い表しているのだそうです。同じ英語のタイトルなのに単語が違うなんて、なんだか変な感じがしますね!

投稿者プロフィール

Midori
Midori
高校時代にイギリス留学、大学~社会人時代に2度のNY滞在を経験。大学時代には留学生チューターとして海外留学生の支援に関わる。
現在のTOEICスコア875点(リスニング満点)。英会話講師として勤務する傍ら、海外ドラマや洋画を用いた英語学習法に関する記事を多数執筆。